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GN複合装甲

アロウズとの決戦のためにプトレマイオス2に配備されたOガンダム実戦配備型には、その戦闘能力を強化するための追加装甲が用意されていました。近代化されたとはいえ、粒子貯蔵量の少ないOガンダムは最大出力が低く、防御に割り当てられる粒子量が少なかったためです。追加装甲を装備したOガンダムは「フルアーマーOガンダム」と呼ばれ、右腕には固定式2連装ビームガン、背部にはGNドライヴから直接粒子供給を受けることで大火力を発揮するビームバズーカなど、防御力だけではなく攻撃力も大幅に強化されることになります。しかしこの装備の性能を十分に発揮するためにはOガンダムにGNドライヴを搭載する必要があり、粒子貯蔵タンクを搭載しての出撃となった決戦においては使用されることはありませんでした。他のガンダムが重大な損傷を負って艦に帰還するといった状況に陥っていたならば、GNドライヴはOガンダムに移設され、フルアーマーとして出撃していたかもしれません。

このOガンダムの追加装甲は、「GN複合装甲」という特殊なものとなっています。これは第二世代機であるガンダムプルトーネに試験的に採用された装甲で、Eカーボンの装甲の内側に圧縮粒子で満たされた層を作ることで、より防御力を高めるというものです。もしEカーボンの装甲が破られたとしても、GN粒子の層がGNフィールドの役割も果たすため、重大なダメージを免れることができます。しかし装甲を強化するためのGNフィールド効果を装甲表面と内部の二重に展開するということでもあり、粒子消費量は増大し、貯蔵タンクを搭載したOガンダムでは使用できない原因の一つともなりました。GN複合装甲はGNフィールドが実用化に至らなかった場合の代替案として開発されていましたが、粒子制御技術の向上によってGNフィールドは完成し、それに伴い装甲表面のGNフィールド効果も十分な防御力を獲得したため、第三世代機に採用されることはありませんでした。もはや過去の技術のようにも思われるGN複合装甲ですが、実体装甲の総量を減らして機体の軽量化を図れるというメリットがあることから、複数のGNドライヴを搭載して出力に余裕がある機体であれば、採用する意義は未だ十分に大きいと言えるでしょう。
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