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擬似GNドライヴ導入を決断したCB

約2年の期間を要して2基のオリジナルGNドライヴを新たに完成させたCBでしたが、その2基を搭載したダブルオークアンタは銀河の彼方へと旅立つこととなり、CBが保有するGNドライヴは再びライル機とアレルヤ機が搭載する2基のみとなってしまいました。アロウズとの戦い後、地球連邦軍の目の届かない紛争の種をひそかに鎮圧するにあたり、CBはガンダムの使用を極力控えて旧世代MSを利用するという方針を定めます。そしてガンダムを使用する場合でも、搭載する主機関は性能が大幅に向上した粒子貯蔵タンクでも十分であると判断したことから、保有するGNドライヴの総数は急を要する問題とはされませんでした。しかしELSとの戦いの後、地球連邦軍が大幅に弱体化したことにより、治安維持におけるCBの役割はより重要度を増すことになりました。そして擬似GNドライヴの技術が一般にも急速に普及したことにより、旧世代機ではもはや対処が困難な紛争が増加し、CBはガンダムの積極的な運用を迫られることとなります。粒子貯蔵タンクは稼働時間や出力だけならば擬似GNドライヴと同等の性能に至っていたものの、再チャージにはプトレマイオス2やGNドライヴを搭載したガンダムが不可欠であり、地上における長期の単独任務などは困難です。また、トランザムを使用する上での制限など、解決しがたい問題も残されていました。

今のCBにはオリジナルのGNドライヴの製造に直ちに着手できるような余裕はありません。新たな局面を迎えた世界に立ち向かう上で、粒子貯蔵タンクではガンダムの主機関としては不十分であるとの結論に至ったCBは、ついに擬似GNドライヴの導入を決断することとなります。擬似GNドライヴの製造技術はヴェーダを通じて入手が可能であり、必要であればアロウズとの戦いの直後でもCBは擬似GNドライヴを導入することができました。あえて今まで導入に踏み切らなかったのは、オリジナルのGNドライヴが放つ粒子こそが自分たちが掲げる旗印であり、擬似GNドライヴは紛い物である、という感情論が、マイスターや技術者たちの間で深く共有されていたという面は否定できないでしょう。しかし切迫する世界の情勢を前にしては、そういったこだわりに固執し続けることはできません。CBが新たに開発した擬似GNドライヴは、連邦軍・イノベイドが積み上げたノウハウにさらに改良が加えられ、従来の擬似GNドライヴを上回る出力を達成しています。従来の擬似GNドライヴも稼働時間を考慮しなければオリジナルと同等の出力であったことから、新型の擬似GNドライヴは出力だけならばオリジナルをも上回っているということになります。

さらに技術の革新により、放出されるGN粒子の色もオリジナルと同じ緑となっています。これはかつてリボンズがアレハンドロのオーダーに応えて、アルヴァアロンに搭載された擬似GNドライヴの粒子を金色へと調整していた技術を、さらに発展させたものなのかもしれません。粒子の性質がオリジナルと同じものであるのかは不明であるものの、マイスター達の心理的抵抗を払拭する上では大きな改良点と言えるでしょう。擬似GNドライヴの独自製造に踏み切ったことにより、CBには大きな変革が起こることが予想されます。一つはこれまでGNドライヴが与えられることがなかったプトレマイオスに、ついに専用のGNドライヴが搭載されるであろうということです。これにより、プトレマイオス2が必要とするチャージは電力のみとなります。電力だけならば太陽光発電システムからのマイクロウェーブなど、オリジナルのGNドライヴ以外からの供給が可能であり、ガンダムの活動の自由度は大幅に増すことでしょう。さらに重要なのは、ツインドライヴシステムの量産が可能となるということです。リボーンズガンダムが搭載していたとされる、リボンズ=アルマークが開発した擬似GNドライヴによるツインドライヴシステム。あれが真に粒子生産量の二乗化を実現したものであったならば、CBは保有する全てのガンダムにツインドライヴシステムを搭載するということも不可能ではなくなります。もっとも、現時点において擬似GNドライヴの搭載が確認されている機体はエクシアR4とデュナメスR3の2機のみであり、疲弊した組織の体力では、擬似GNドライヴであっても十分な数を製造することは難しいのかもしれません。
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グラハム・エーカーの帰還

ダブルオークアンタを超巨大ELSの中枢へと突入させるため、トランザムをオーバーロードさせて自爆し、壮烈な戦死を遂げたかと思われたグラハム・エーカーでしたが、まさかの生還を果たし、刹那に代わる新たなガンダムマイスターとしてCBに参加することとなりました。しかしながら、グラハムが起こした爆発の威力は凄まじいもので、閉じかけで形状が固定されていなかったのだとしても、超巨大ELSの表層を貫く大穴を穿っています。その爆発の中心にいたはずの彼が、どうして生還することができたのか。そこにはいくつかの要因が考えられます。そもそもなぜグラハムの肉体が無事だったのかと言えば、それはグラハムを侵食していたELSが彼を守ったからに他なりません。突入する場面のグラハムの搭乗機ブレイヴの状態を見ると、ELSジンクスに背部から覆いかぶさられるように侵食され、腹部にあるコックピットブロックは内部までELSに覆われていました。火星でのラファエルガンダムや、アンドレイの搭乗するジンクスIVの自爆など、ELSはトランザムによる自爆を幾度か経験、学習しており、ダメージを軽減する手段もすでに会得していたものと考えられます。自爆の予兆を察知したELSは防御手段を講じ、結果的にコックピットブロックが守られることとなったのでしょう。

爆発による即死は免れたグラハムですが、肉体は半ばまでELSに侵食されており、そのままでは遠からず死を迎えていたはずです。そのグラハムを救うこととなったのは、刹那がELSの中枢で発動させたクアンタムバーストです。グラハムを宿したブレイヴのコックピットブロックは、突入と爆発の勢いのままに、超巨大ELSの中枢近くまで流れ着いたものと見られます。それにより、クアンタムバーストが生み出した意識共有領域に至り、増幅されたグラハムの脳量子波から生存への願望を感じ取ったELSは、その時点で可能な限りの人体の模倣を行い、グラハムを生かし続けることになります。そしてグラハムの脳量子波はELSの母星へと旅立つ間際にあった刹那にも届くこととなりました。量子空間でグラハムと再会した刹那は、このままの死を選ぶか、それともELSを受け入れてでも生きることを選ぶかを問います。その答えは、かつて刹那との決闘に敗北し、それでも生きることを選択した時点で出していたというべきでしょう。刹那を介してELSと対話を行い共に生きることを決意したグラハムは、自身の代わりにガンダムマイスターとして戦ってほしいという刹那の願いも受け入れ、生還を果たすこととなりました。ELSと人間の共生体となり、あたかもハイブリッド・イノベイターとなったかのように思われるグラハムですが、イノベイターとして変革しているのかについては実は定かではありません。共生を可能としたELSとの対話もクアンタムバーストによる意識共有領域下で行われたもので、変革の明らかな証とはなり得ません。あるいはグラハムは、イノベイターへと変革することなくELSとの共生を果たしている人間という、稀有な存在であるのかもしれません。
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GN-002REIII ガンダムデュナメスリペアIII

新時代の技術が投入され、新たなマイスターを得てCB実働部隊の主戦力へと復帰したガンダムエクシア。そのエクシアをサポートするための機体として、ガンダムデュナメスにもまた大幅なアップデートが施されました。それが「GN-002REIII ガンダムデュナメスリペアIII」です。ELS来訪時の姿はリペアIであったことから、ELS戦直後にも一度改修され、その後新たなマイスターの特性に合わせるためにリペアIIIへと再改修されたものと考えられます。リペアIIがどのような機体であったのかは不明ですが、ELSとの戦いでガンダムハルートが失われ、再建造されるまでアレルヤ専用のガンダムが存在しないという時期であったことを思えば、あるいはアレルヤが搭乗することを想定した機動力が強化された形態であったかもしれません。

デュナメスR3はかつてのヴァーチェの特性を引き継いでおり、新たに装備されたGNバズーカ、GNキャノンによる砲戦能力に特化しています。GNバズーカはヴァーチェのものとほぼ同型で、砲身を展開し胸部GNコンデンサと直結することでフルバーストモードとなるなど、機能面では大きな変化はありません。しかし最新の技術が適用されたことで威力はさらに向上しており、また砲身がややスリム化されたことで片腕で扱うことも容易となっています。GNキャノンは背部から伸びる2基のアームに装着された大型GNシールドに内蔵されており、砲身はヴァーチェのものと同様に2連装となっています。このGNシールドにはGNフィールド発生装置が搭載されており、放出粒子を調整することでスラスターとしても機能するなど、ダブルオーライザーのGNシールドを発展させたものであるという可能性は高いでしょう。

デュナメスR3の主機関はCBによって開発された新型の擬似GNドライヴとなっており、出力だけならばかつて搭載されていたオリジナルのGNドライヴをも上回るものとなっています。しかしヴァーチェの大出力ビームを主体とした戦闘は、大ボリュームの外装に内蔵されていた大型GNコンデンサに依るところが大きく、細身のデュナメスでは本来真似することは困難です。そのため、デュナメスR3においてはエクシアR3と同様に、脚部のGNミサイルコンテナ内に粒子貯蔵タンクが内蔵されているものと考えられます。R3では腰部前面のGNミサイルを内蔵した装甲は廃止され、新たにスラスターが装備されています。これはリペアIとの比較で5トンほど増加した重量を補うためのものと見られますが、R3では大型GNシールドの接続位置が肩ではなく背部アームへと変更されたことで腕の自由度が増しており、砲撃を主体としながらも、大推力を活かした近接戦闘を積極的に行うことも想定しているのかもしれません。

デュナメスR3はティエリアによってCBに送り込まれた新たなガンダムマイスター「レティシア・アーデ」のための機体として用意されました。レティシアはティエリアと同じ遺伝子パターンから生み出されたイノベイドであり、なおかつティエリアのそれまでの記憶の全てを受け継いでいるため、CBの各メンバーの性格、行動原理も熟知しています。しかし人格はティエリアとは別物であることから、レティシアがティエリアの記憶から何を思い、どう行動するのかは未知数であるとしか言えません。刹那によって送り込まれたもう一人のガンダムマイスターもまた、それまでのCBには存在しなかった人格の持ち主です。ともすれば組織に波乱を招きかねない者達をなぜ新たなマイスターとして選んだのか。それは、時代とともにCBも変わり続けていかなければならないという想いを、刹那、ティエリアが共に抱いていたからではないでしょうか。
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