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GNT-0000/FS ダブルオークアンタ フルセイバー

刹那の想いを受け、対話のための機体として開発されたダブルオークアンタですが、新たに製造されるツインドライヴ用のGNドライヴが補助装置無しでの完全同調を果たせなかった場合に備え、より戦闘能力に特化した仕様も並行して開発されていました。それが「GNT-0000/FS ダブルオークアンタ フルセイバー」と呼ばれる形態です。フルセイバーにおいては2基のGNドライヴを直結させることは無いため、背部には新型のコーン型スラスターが装着されています。また、バックパックには可動式のアームが1基増設され、その先にはフルセイバーの由来たる武装「GNソードIV」がマウントされます。GNソードIVはそのナンバーが示す通り、GNソードV以前に開発されました。その後の技術開発によって主兵装の座をGNソードVに譲ったものの、GNソードIVがクアンタの左肩に装備されるという可能性もあったのかもしれません。

GNソードIVはそれまでのGNソードとは大きく異なり、メインブレイド、マルチカウンター、3基のGNガンブレイドという計5基のユニットで構成された複合兵装となっており、その組み合わせによって様々な機能を発揮することが可能となっています。すべてのユニットを組み合わせた形態ではGNバスターソードであるフルセイバーモード、ライザーソード級の大出力ビームを発射可能なGNランチャーモードとして機能するほか、メインブレイドとマルチカウンター、GNガンブレイド1基との組み合わせでもフルセイバーモードと同等の威力のGNバスターソードとなります。3基のGNガンブレイドは取り回しに優れたブレイドモード、連射性の高いガンモードを素早く切り替えることが可能で、2基を連結させる機能も備えていることから、GNソードIIを使い慣れた刹那にとっては扱いやすい武装となっていたことでしょう。

シミュレーションにおいて、GNソードIVを装備したダブルオークアンタはきわめて高い戦闘能力を発揮したとされています。しかしながらGNソードIVにはGNソードVと比較すれば旧式と言わざるを得ない点もいくつか見られます。最大の問題は、それぞれのユニットがビット機能を有していないという点です。刹那の脳量子波によって直接制御され、求める形態に瞬時に移行可能なGNソードVとGNソードビットに対し、コンピューター制御によって分離合体が行われるであろうGNソードIVは、GNソードVほどに素早い反応はおそらく不可能です。それはGNソードVにおいて解決された、GNバスターソードの取り回しの悪さという問題点が未解決のままであるということも意味しています。また、GNソードIVの各形態は両手を必要とする場合が多いため、GNソードVとは排他的な運用が求められます。それにも関わらず、GNソードVではなくあえてGNソードIVを使わなければならない、という場面が少ないであろうことは、両者の性能を比較しても明らかです。GNソードIVにビット機能が搭載されなかったのは、開発段階では刹那のイノベイターとしての能力が未解明であったためと考えられます。ダブルオークアンタがELSの本星へと旅立たず、GNソードIVの攻撃力があらためて必要とされていたならば、おそらく改良が施され、より効率的な運用が可能となっていたことでしょう。
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