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GN-X805T/CF ジンクスIV コアファイター搭載型

CBの武力介入に端を発した長い戦乱により、多くのMSパイロットが命を落とすこととなりました。その損失はCBとアロウズの戦いが決着した時点においてでさえ多大なものでしたが、ELSとの戦いでは連邦軍は集めた戦力の7割以上を失うこととなり、いまだ情勢が不安定な地球の治安を維持することさえも困難なレベルへと達してしまいます。いかに連邦軍がGNドライヴに関する軍事技術をほぼ独占しているとはいえ、それを運用できる人員がいなくては意味がありません。連邦軍は新たなMSパイロットの育成に注力するとともに、戦乱を生き残った貴重なMSパイロットたちの生残性を高めるべく、CBがかつて開発した脱出システム「コア・ファイター」をジンクスIVに搭載することを決断します。元よりジンクスのコックピットは機体前面に外付けする形で存在しており、改修は比較的容易と言えました。アヘッドのようにコックピットが胸部に埋め込まれているタイプであったならば、擬似GNドライヴの搭載位置自体を再検討する必要があったかもしれません。

連邦軍の要請を受けたヴェーダからのデータ提供により、ジンクスIV用のコアファイターの開発は短期間で完了し、数少ないながらも残存するジンクスIVへと実装されていくことになります。ジンクスIVのコアファイターの大きな特徴は、コックピットブロックに大型のスラスターユニットが2基接続されていることにあります。このスラスターユニット1基あたりの大きさは、ガデッサをはじめとするGNZシリーズに搭載されていた擬似GNドライヴユニットに匹敵するもので、2基を合わせたGNコンデンサの搭載量、総推力はGNZシリーズのコアファイターを大きく上回っているであろうことが窺えます。この2基のスラスターはジンクスIVの腰背部に設置されていたスラスターの代わりに通常時もメインのスラスターとして機能することになりますが、元のスラスターよりも大幅に大型化していることから、コアファイター搭載型のジンクスIVは機動力も大きく向上しているものと見られます。

このジンクスIVへのコアファイターシステムの搭載は、パイロット志望者を集めるために、連邦軍がいかにパイロットの安全を第一に考えているかということを内外にアピールするという狙いもあったのでしょう。数多く撃破されながらもジンクスIVがELS戦で残した高い実績により、連邦軍ではすでに次世代機であるジンクスVの開発も進められています。ジンクスVではコアファイターシステムが標準で搭載される予定とされていますが、その形態がジンクスIVと同じものとなるかどうかは定かではありません。ジンクスIVでは開発が急がれたために既存のコックピットブロックを改修する形となりましたが、時間をかけて開発されるであろうジンクスVでは、より高い安全性を得るためにコックピットの位置自体が変更されるという可能性もあるでしょう。
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