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陰のガンダムマイスター レナード・ファインズ

リボンズ率いるイノベイド勢力、アロウズとの戦いのあと、ティエリアが眠りにつき、アレルヤが一時的に離脱したことにより、CBの実働部隊に所属するガンダムマイスターは刹那とライルの2名のみとなってしまいました。しかしながらそれは表向きの話であり、実はこの時期、CBには一人の優秀なガンダムマイスターが誕生しています。それがコードネーム「レオ・ジーク」ことレナード・ファインズです。彼は元々は人類革新連盟が生み出した超兵実験体の一人でしたが、武力介入開始前のCBにおいてマイスターのスカウトを担当していたイノベイド、グラーベ・ヴィオレントとの戦いを通じてCBの存在を知ることとなり、パートナーであるデルフィーヌ・ベデリアとともに人革連を離脱、CBに参加することになりました。その加入時期は明示されてはいないものの、武力介入開始後からアロウズとの戦いが終結するまでの期間、外部に人材を求めるような余裕がCBにあったとは考えにくいことから、おそらくCBの武力介入開始前の時点ですでにCBに参加していたのでしょう。

2314年のレナードは19歳、武力介入が開始された2307年時には12歳だったということになります。グラーベと遭遇した7歳の時点ですでにMSパイロットとして高い能力を備えていたことから、CBにおいてもマイスター候補として訓練に励んでいたものと思われますが、あまりに幼すぎること、そして同じく超兵であるアレルヤと比較した場合、その能力は大きく劣るものであることから、正式なマイスターには選ばれなかったのでしょう。国連軍に敗北し、壊滅状態となった直後のCBは正式なマイスターがティエリアのみとなっていましたが、刹那がライルをスカウトすることがなければ、あるいはアレルヤが復帰することがなければ。そしてマリーがCBに参加するという偶然がなければ、レナードがいずれかの機体の正式なマイスターとなっていたのかもしれません。もしレナードがGNアーチャーのパイロットとなっていたとしたら、アレルヤはレナードのその素性を知ることとなり、超兵研究所殲滅という自らの罪と、マリーの場合とは違う形で向き合うことになったはずです。

アロウズとの戦いの後、正式なマイスターとなったレナードは、第五世代ガンダム開発後に予備機となったアリオスガンダムやケルディムガンダムに搭乗し、密かに武力介入を行っていくことになります。イノベイド勢力から鹵獲したガルムガンダムに搭乗しELSとの戦いにも参加していたレナードですが、この際、オービタルリング上に設けられた脳量子波遮断施設へ向かっていたELSを発見した彼は、意識的に脳量子波を発することで自らにおびき寄せ、施設に集められていたイノベイター因子の高い市民たちを救っています。かつてグラーベと戦った7歳の頃のレナードは、脳量子波を自由に使いこなすことが出来ないために超兵としては失敗作とされていました。そのレナードが、19歳となった現在では脳量子波を使いこなせるようになっているのは、超兵として成長したからというわけではなく、彼もまた、純粋種のイノベイターとして覚醒する間際にあったからです。自らがイノベイターとして変革しつつあるという自覚がレナード自身には無かったとみられることから、脳量子波能力については単純に肉体の成長に伴って向上したのだと解釈していたのかもしれません。

ELSとの戦いにおいて、レナードはガルムガンダムもろともにほぼ全身をELSによって侵食されてしまいます。しかし刹那が対話を果たしたことにより侵食は頭部に及ぶ寸前で停止し、レナードもイノベイターとして完全に覚醒したことでELSとの共生が可能となり、生還を果たすことになりました。純粋種のイノベイターは常人の倍の寿命を持つとされていますが、ELSとの共生を果たしたイノベイターはその限りではありません。全身を侵食されたレナードや、左半身を侵食され連邦の研究所に収容されていたアーミア・リーなどは、さらに長大な寿命を持つものと見られています。自らの肉体と同様にその大部分をELSによって再構成されたガルムガンダムを愛機とし、実働部隊を支える陰のガンダムマイスターとしてレナードは長きに渡る戦いに身を投じていくことになります。
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CB-002/GD ラファエルガンダム ドミニオンズ

ELSとの戦いで大きな損害を受けたCBは、次なる時代の戦いに向けて戦力の再建に取り組むことになりました。また、ELSとの戦いを通じてイノベイターの驚異的な戦闘能力が明らかとなり、開発されたばかりであった第五世代機でも不十分であると判断されたことから、CBは第六世代となる新たなガンダムの開発を早くも検討することとなります。しかしELS戦以前よりも組織は疲弊しており、新型機の開発には相当の期間を要すると見込まれたことから、当面は既存の機体を改修し、失われた機体を再建造することで対応していくしかありません。そのような状況で新たに建造された機体が「CB-002/GD ラファエルガンダム ドミニオンズ」です。

ドミニオンズの核となるラファエルガンダムはELSとの戦いでティエリアが搭乗した機体と全く同じであるものの、合体しているユニットはセラヴィーガンダムIIではなく、セラヴィーガンダムIIをベースに開発された無人MS「セラ」となっています。腰部が大きく変形し、ラファエルの上半身に覆いかぶさるようにドッキングしていたセラヴィーIIに対して、セラの胴体部はかつてのセラフィムガンダムのようにバックパックとして背部に装備する形となっています。また、宇宙用のラファエルの最大の特徴でもあったGNビッグキャノンはドミニオンズには装備されておらず、セラの脚部は前後に分割することでラファエルガンダムの脚部に装着され、追加装甲としての役割を果たすことになります。これはドミニオンズは重力下での運用を想定して開発された機体であるためで、セラヴィーIIとドッキングした場合と比較すると重心が低くなるため、地上での運用により適した形態となります。セラを構成するパーツを全身に装着し、ボリュームを大きく増したラファエルの姿はガンダムヴァーチェを彷彿とさせるものであり、開発する上でティエリアがかつての愛機を意識していたであろうことは間違いありません。

ドミニオンズは火力面でも宇宙用のラファエルガンダムとは大きな違いがあります。GNビッグキャノンを搭載していないことに加え、それに伴って擬似GNドライヴの数も3基から2基へと減少していることから、総火力という点では低下していることは明らかでしょう。一方で、宇宙用のラファエルガンダムの欠点でもあった、セラヴィーIIとの分離後のラファエルガンダム本体の戦闘能力の低下という問題がドミニオンズにおいては軽減されています。ヴァーチェのGNバズーカをベースに開発された新たなGNバズーカ自体に擬似GNドライヴが搭載されているためです。分離後も本体と無人機の双方が高い火力を維持し、ラファエルは必要に応じてGNバズーカから粒子をチャージできるであろうことから、緊急時、短時間のみの分離を想定していたと思われる宇宙仕様に対して、ドミニオンズは長時間の分離、連携作戦を想定した仕様であるとも考えられます。

ドミニオンズはティエリアの出動を要するような緊急事態が地上で起こった場合を想定して開発されたものであり、製造自体はELS戦以前にすでに完了していたものと思われます。ELSに対応するためにティエリアが出撃した後、存在が明らかとなった秘密のラボは連邦軍に摘発されたはずですが、それによってセラが鹵獲されていなかったとすれば、「ソレスタルビーイング」からの出撃の際、ティエリアはセラを伴っていたのかもしれません。そして離れた宙域で別れ、CBの基地へと自動で向かうように指示を出したのでしょう。ドミニオンズのパイロットが誰であるのかはいまだ判明していません。刹那とともにELS本星へと旅立ったティエリアは、CBのマイスター不足を考慮して自らの分身ともいえるイノベイドを作り出し、CBへと送り込んでいます。ドミニオンズのパイロットはその人物である可能性はもっとも高いと言えますが、あるいはティエリア自身が一時的に帰還し、戦いに参加するということもあるのかもしれません。ダブルオークアンタとヴェーダがリンクしている限り、ティエリアには距離の制限などは無いも同然なのです。
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