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GNデヴァイズバックパック

ガンダムに複数のGNドライヴを搭載し、その戦闘能力をより高めるというダブルドライヴ構想は第二世代ガンダムの開発時から存在し、ガンダムプルトーネにおいて実際に試みられましたが、GNドライヴ同士が干渉し機能不全を起こすという問題を解決できず、長らく断念されていました。しかし技術の成熟に伴い問題を解消する目途が立ったことから、第三世代ガンダムにおいて再びダブルドライヴ構想は動き出すこととなります。そのために開発されたのが「GNデヴァイズバックパック」です。これはガンダムのコーン型スラスターの代わりに設置されるGNドライヴを内蔵したバックパックで、ガンダム本体のGNドライヴと直結させることで粒子生産量を2倍へと引き上げるという拡張装備です。バックパックにはGNシールドも装着可能なサイズのサブアームが2基搭載されており、増加した機体出力を活かし、多種の武装を持たせ使用することが可能となっています。コンセプトとしてはガンダムラジエルの支援機であるGNセファーに近く、簡易的なGNアームズであるとも言えるでしょう。

その仕様から、デヴァイズバックパックはキュリオスとヴァーチェは装着することができず、事実上エクシアとデュナメスの専用装備となっています。エクシアの場合であればサブアームにGNシールドを装備することにより、防御力を維持しつつ両腕での斬撃が可能となります。その戦闘スタイルはダブルオーに通じるもので、あるいはこの装備のデータが活かされたのかもしれません。デュナメスの場合は一度に4丁のGNピストルを構えることが可能となり、対多数の戦闘においてより隙の無い弾幕を展開することができるでしょう。しかしダブルドライヴを実践するためには予備である5基目のGNドライヴが必要であり、それは存在が機密とされている支援部隊に託されていたため、デヴァイズバックパックには代わりに粒子貯蔵タンクが搭載され、試験運用が行われることとなりました。

その後の武力介入においてデヴァイズバックパックが活躍する場面が無かったという結果を見る限り、その有用性は評価されつつも、実戦配備には不十分なものであったようです。エクシアについて言えば、その機動力の根幹を担っているコーン型スラスターを撤去してまでも採用するメリットがあるのか、という議論が起こったはずです。サブアームによって同時に使用できる武装が増えるという点も、一方でパイロットの負担が増加することから一長一短と言えます。また、当時の粒子貯蔵タンクは未だ開発途上であり、見込まれる出力の増加は実際のダブルドライヴには遠く及ばないものであったであろうことは明らかです。開発されながらもついに陽の目を見ることのなかったCBの数多くの装備。デヴァイズバックパックもまた、その一員に加わることとなってしまいます。しかしながら試験運用によって得られた数々のデータがその後の開発に与えたであろう影響は大きく、特に二基のGNドライヴを直結させるというアイディアは、ダブルオークアンタにも繋がっていたのかもしれません。
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