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衛星サイズのGNドライヴ

刹那との対話によって人類の在り方を理解したELSは戦闘行為を停止し、超大型ELSを中心にその群体全てを融合し巨大な花を形作りました。およそ直径3000kmとされた球状の超巨大ELSが蕾の状態であったとするならば、花となったELSの直径はさらに長大となっているのかもしれません。花となったELSを人々が見つめ、戦いが終わったことを理解するという光景が描かれて物語は幕を閉じますが、気になるのは、そのELSの花の中心部から緑色のGN粒子のようなものが放出されていたということです。ELSが融合を行うのは対象を理解するとともにエネルギーを摂取するためでもあり、地球に落着したELSは自動車や電車、船や兵器など様々なものと融合し、内蔵するバッテリーなどからエネルギーを得ていました。そのELSにとって、永続的にエネルギーが得られるオリジナルのGNドライヴはまさに太陽に匹敵する存在と言えます。その夢のエネルギー源を、花となったELSは自らの能力をもって生み出すことにおそらく成功したのでしょう。

ELSはオリジナルのGNドライヴそのものを取り込むことこそ果たしていませんが、一部を除けばオリジナルとほぼ同一の構造とされる擬似GNドライヴについては完全に理解していました。そしてクアンタムバーストによる超高密度のGN粒子を介したダブルオークアンタとの接触は、あるいは機体との直接の融合に匹敵するほどの情報をELSにもたらしていたかもしれません。また、オリジナルのGNドライヴの製造に必要とされる材料についても、木星に似た惑星を起源とし、長く銀河を彷徨したELSであればその身の内に宿していても不思議ではありません。戦いが終結したあの時点において、ELSがオリジナルのGNドライヴの生成に至ることは十分にありうることと言えます。

そして戦いから50年後の2364年、依然として地球近傍に在り続けるELSの花の下部には緑色に輝く球体が生み出されており、その輝き、形状から考えれば、おそらくELS製の超巨大なGNドライヴであると思われます。そのGNドライヴからは、月へ、さらに地球へとラインが繋がっていることが確認できます。2364年の世界においてはGN粒子は様々な分野で活用され、日常生活には不可欠となっていることから、ELSのGNドライヴはこのラインを通じて人類全体にGN粒子を供給しているのではないでしょうか。ELSの花との対比から推測できるその直径は控えめに見積もって100kmを上回っており、それだけの大きさのGNドライヴならば全人類の需要に応えることも容易であるはずです。この恩恵こそが、人類がELSとの共存を受け入れるに至った大きな要因の一つなのかもしれません。
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