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GN-001RIV ガンダムエクシアリペアIV

刹那によるELSとの対話によって滅亡の危機を脱した人類ですが、増加するイノベイターと既存人類の軋轢、ELSとの共存に抵抗する人々、そしてかつて地球連邦への加盟を強いられた国々の反発など、地球圏の治安は以前にも増して悪化していくこととなります。治安維持を担うべき地球連邦軍はELSとの戦いでその7割を失い、再建にも時間がかかる状況で、その間の世界の抑止力としての役割はCBが担っていくしかありません。そのため、CBは新たな時代に対応するための次世代機の開発とともに既存の機体を改修し、戦力の再建に取り組むことになります。

「GN-001RIV ガンダムエクシアリペアIV」はその計画に基づいて開発された機体であり、エクシアとしては3度目の大きな改修を施された姿となります。武装面ではダブルオークアンタの予備パーツと思われるGNシールドが右肩側に配置され、そのGNシールドにはGNソードビットの代わりにGNバトルブレイド、GNバトルソードが2基ずつマウントされ、腰背部の2基のGNベイオネット 、背中にマウントされる最も長大なGNタチと合わせ、4種7基のGNソードを装備しています。この7基のGNソードのうちGNタチをのぞく6基はR4のために新たに開発されたというわけではなく、ダブルオークアンタの主武装であるGNソードVを開発する過程で生まれたもので、多機能複雑化したGNソードIVの対案として用意されていたものなのかもしれません。これらのGNソードにはビット機能は搭載されていないことから、R4においてはエクシアの原点に立ち返り、徹底した近接戦闘能力の追及が図られたことが窺えます。機体出力の点でも大きな改良が行われ、R4ではGNシールドに擬似GNドライヴが搭載されており、トランザム使用後に粒子の再チャージができないという粒子貯蔵タンクのみでの運用の問題点も解消されています。胸部の粒子貯蔵タンク、そして両肩、両脚部に内蔵された小型粒子貯蔵タンクの出力も合わさることで、R4の最大出力は複数のGNドライヴを搭載した機体にも匹敵するかもしれません。

エクシアR4は第6世代となる新たなガンダムに採用されるであろう新技術が部分的に導入されたテストベッドでもあります。それは大きく姿を変えた左腕に現れており、左腕はフレームが剥き出しになっているように見えるものの、この状態で十全な防御力を備えており、新世代機においては機体装甲の面でも変革が起こることが予想されます。しかしこの左腕の真価は試験的に導入された新たなトランザムシステムにあります。それは機体の一部分のみをトランザム状態とすることで、粒子消費を抑えながらも最大限の効果を得ようというものです。従来のトランザムは高めたい性能が攻撃力や機動力だけであったとしても、機体に搭載されている全てのGNコンデンサから高濃度圧縮粒子が放出され、過剰に消費されてしまう粒子が少なくはありませんでした。この部分的トランザムが新世代機に導入された場合、武装や装甲を強化せず、機動力のみを高めるといった選択を行うことで、より高い性能向上、そして持続時間の大幅な延長が可能となるはずです。この新技術がそれまでのエクシアがGNソードを主に装着していた右腕ではなく左腕に採用されたのは、未だ試験段階であり、実戦中に異常が発生した場合を考慮したためとも考えられます。

エクシアR4は刹那がCBから去った後の機体であり、当然ながら専任のマイスターが不在のままに開発されました。あるいはCBとしては刹那がさほど時を置かずに帰還するものと考えていたのかもしれません。ELS戦後のCBが置かれた厳しい状況はヴェーダ、ティエリアを介して刹那にも伝えられており、自らが抜けた穴を埋めるため、刹那はある人物を新たなガンダムマイスターとしてCBに送り込むことになります。左利きのその人物は、左腕に新たな力を与えられたエクシアとの出会いを自らの運命だと確信し、そのマイスターとして未来を切り開くべく新時代の戦いに臨んでいくことになります。
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