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GNY-004 ガンダムプルトーネ

ガンダムプルトーネは2290年代に開発された第二世代ガンダムのうちの一機で、様々な特殊装備を試験的に搭載された機体です。その装備の一つがGNフィールドです。GNフィールドの膨大な粒子消費に対応するため、プルトーネのリアアーマーには大型のGNコンデンサが搭載されており、露出した粒子供給ケーブルによって肩と脚部、腕部に搭載されているスラスター兼用の粒子放出装置と接続されています。しかしこの当時は粒子制御技術が低かったため、空間に圧縮粒子を固定するということが困難で、GNフィールドは実用段階ではありませんでした。そのGNフィールドの代替となる防御手段として、プルトーネにはGN複合装甲という特殊な装甲が採用されています。これはEカーボンの装甲に内側にGN粒子で満たされた層を作り、GNフィールドと同じ効果を得ることで第一層が破られたとしても深刻なダメージを回避できるというものです。GN複合装甲は実験によって確かな防御効果が確認されましたが、その後の技術の向上によって装甲表面のGNフィールド効果が十分な防御力を獲得したため、第三世代ガンダムに採用されることはありませんでした。

プルトーネで検証されたもう一つの技術はコアファイターシステムです。プルトーネの胸部は緊急時には分離し、GNドライヴとコックピット、背部スラスターによって構成される脱出用戦闘機コアファイターとなります。機体が大破し行動不能となった場合にGNドライヴとマイスターを回収するためのシステムとして開発されましたが、機動力は高いものの戦闘能力はほぼ皆無であり、戦場からの確実な脱出を保証しうるシステムであるとは判断されなかったことから第三世代ガンダムに採用されることはありませんでした。コアファイターシステムはのちにイノベイドによってGNZシリーズに実装されることになりますが、搭載されているのは擬似GNドライヴ、パイロットはイノベイドであり、守るべき対象がいずれも容易に再生産が可能な存在であるということは、コアファイターの開発目的から見れば皮肉というべきでしょう。

プルトーネには他にもトライアルシステムやツインドライヴの前身というべきシステムなど、CBにとっては最重要である技術の搭載も検討されていました。トライアルシステムについてはマイスターの資質の問題から搭載が見送られることとなります。ツインドライヴシステムについてはこの時期のCBの技術者たちがその存在を知るわけもなく、単純に一つの機体に2基のGNドライヴを搭載しようという試みであったわけですが、それもGNドライヴ同士が干渉を起こしたために断念されることとなりました。しかしこのGNドライヴの干渉現象こそが、実はツインドライヴシステムの予兆でもあったのだと、のちにイアンは気づかされたことでしょう。未成熟な技術のテストベッドとなり、その後の事件によってオリジナルの機体が失われたために、プルトーネは他の第二世代ガンダムのように改修されてCBの戦力となることはありませんでした。しかしイノベイドによって再建造され、最新の技術でアップデートされたプルトーネは高い戦闘能力を発揮しており、その完成度は十分に高いものであったということが証明されています。プルトーネがCBに残されていたならば、防御力と機動力を兼ね備えた機体として重要な戦力となっていたはずです。
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