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GN-011 ガンダムハルート

破壊されたはずの木星探査船「エウロパ」に変貌したELSがプトレマイオス2に接近してきたことで、CBに復帰したばかりのアレルヤとマリーも新型機に搭乗し出撃することとなりました。「GN-011 ガンダムハルート」は第四世代機であるアリオスとその支援機GNアーチャーを統合発展させた機体で、より大型化、多機能化させたブースターユニットがガンダム本体に直接装着されています。以前のように分離することはできないものの、アーチャーアリオスとの比較では重量は9トンほど軽くなり、脚部GNコンデンサの増強などによって推力も強化されたため、機動力は大幅な向上を果たしています。ハルートの大きな特徴はガンダムとしては初の複座式コックピットを採用していることです。アレルヤが機体制御を、マリーが火器管制を主に担当しており、脳量子波による意思疎通を行うことで、常人には為し得ない緊密な連携操縦を可能としています。

二人による操縦が求められた理由の一つには、武装が大幅に増加したことによる操縦の複雑化があります。ティエリアがガンダムマイスターから外れたことにより、ティエリア機が担っていた大火力の役割は他のガンダムに委ねられることになりました。そのためハルートには二門の大型GNキャノンが装備され、両腕に持つGNソードライフルと連動させることで、セラヴィーと同様のクアッドキャノン現象を発生させることも可能です。また、GNミサイルコンテナも基本装備となっており、ハルートの火力はGNHWを装備したアリオスを大きく上回るものとなっています。あるいはこの程度の武装の増加であれば、複数のパイロットを必要とはしなかったかもしれません。ハルートの操縦の難易度を大きく引き上げることとなった最大の要因は、アレルヤ機としては初のビット兵器である「GNシザービット」です。

GNシザービットは2基のGNソードによって鋏を形成し、超高速で突撃することで対象を切断する新型のビット兵器で、ブースターユニットの後部に合計10基が格納されています。CBはヴェーダを通じて連邦軍の兵器開発を把握しており、新たな主力機となったジンクスIVに標準でGNフィールドが搭載されたことを受け、それを突破可能なGNシザービットのような近接戦闘用のビットが開発されたものと見られます。超兵の脳量子波によって直接制御されるためその動作は機敏で、防御手段は限られ、回避・迎撃することも至難であることから、GNシザービットは対MS用としては反則的なまでの攻撃力を持っていると言えます。しかしビットの操作中は脳量子波による警戒が疎かになる恐れがあるため、もう一人のパイロットのサポートが必要と考えられたのでしょう。

真の超兵の能力を前提に開発されたハルートは、アリオス以前の機体とは一線を画する性能を獲得することとなりました。戦いがかつてのレベルであったならば、たとえ操縦するのがアレルヤ1人であったとしても敵は存在しなかったでしょう。しかしトランザムが普及し、イノベイターの驚異的な戦闘能力も明らかとなったことで、「反射と思考の融合」を以ってしても絶対の優位が得られない時代が迫っていることは明らかでした。イノベイターに対抗するためには、超兵としての力を最大限に引き出さなければならない。そのような思いから、新型機が複座式として開発され、マリーとともに乗り込むことが決まった後、アレルヤはイアンに対してあるシステムの構築を依頼することになります。ハルートに実装されたそのシステムを使用するには、アレルヤとマリー、ハレルヤの完璧な意思疎通が不可欠であり、おそらく三人は地上での旅の間にも、そのための訓練を続けていたのではないかと思われます。
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