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劇場版 機動戦士ガンダム00 Part.8

地上に落下した探査船エウロパの破片から生じたELSの被害も収束し、再びエウロパの姿を模して現れたELSもCBによって撃退されたことで、連邦政府は事態は一応の解決を見たと判断します。今回地球にELSが現れたのは偶然に過ぎず、今後はELSの性質を研究し、外宇宙から飛来する物体に対しては慎重に対応すればこれ以上の大きな問題とはならないであろうと。人類全体にとっては初めての地球外生命体との接触でもあり、むしろこの時点でのELSは脅威というよりも好奇心の対象であったかもしれません。

地上に存在するイノベイター因子の強い人々は、連邦政府が用意した脳量子波遮断施設に一時的に隔離されることとなりました。これはかつて人革連がソーマのために用意した脳量子波遮断スーツを大規模化したものと思われ、この中にいる限りはELSを引きつける恐れはなくなるようです。しかし隔離された人々は自らがイノベイターと呼ばれる存在であることを知らず、ELSの脅威も理解できないことから、収容の際には多くの混乱があったことは想像に難くありません。刷新されたといえ、連邦政府はごく最近まで反連邦思想を抱くものをその疑いがあるというだけで摘発し、強制収容所に送り込んでいました。そのスキャンダルが冷めやらない時期であるだけに、収容された人々や家族は大きな恐怖を味わったことでしょう。

ティエリアが合流したCBでは、ELSとの戦いを経てあらためてその対応について話し合いが行われていました。知的生命体であるとは思われるものの意思疎通が図れず、人類にとっては攻撃としか思えない行動をとるELSとは戦うしかないという考え、そしてあくまで対話の手段を模索すべきだとという考えとで意見は別れますが、刹那は明確な答えを出すことができません。曲がりなりにも刹那だけが量子波によってELSの意思のようなものを感じ取っていたからです。直感的にELSへの攻撃を躊躇ったことは、ELSには敵意が無いことの証のようにも思えます。しかしその感覚を共有できる者がいないことから、自らの考えが正しいのか否かを確かめる手段が刹那には無く、ただ「わからない」と答えるしかないのです。

同じイノベイターでも、連邦軍のデカルト・シャーマンはELSの脳量子波をただの「叫び」であると切り捨てていました。これはイノベイターとして能力の差、あるいはデカルト自身の攻撃的な性格から理解を拒んでいるためとも考えられますが、彼の機体が擬似GNドライヴ搭載型であることも関係しているかもしれません。オリジナルのGNドライヴから生み出されるGN粒子には、脳量子波による意識共有の触媒としての効果があり、擬似GNドライヴを使用するデカルトは、刹那ほどには深くELSの意思を感じ取ることができなかったのかもしれません。
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