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劇場版 機動戦士ガンダム00 Part.15

地球連邦軍が設定した最終防衛ラインから1000万kmの地点まで超巨大ELSが迫ったことを受け、連邦軍はついに総攻撃を開始します。出撃の際、ジンクスIVに搭乗したアンドレイはELSとの戦力差を「ざっと10000:1」であると語っていました。小型ELSや中型ELSの単体での戦闘能力はそれほど高くないことから、連邦軍のMSが単機で多数のELSを撃破できると想定しても、その戦力差は万倍であるということだと思われます。つまり単純な数の差ではおそらく数十万倍以上なのでしょう。人類側にアドバンテージがあるとすれば、ビーム砲やGNミサイルなど、同時に多数を攻撃することが可能な兵器を持っているという一点に尽きます。連邦軍がELSに対する先制攻撃として使用したのも、1基の爆発で多数のELSを撃破することが期待できる対艦用のGNミサイルの斉射でした。この大型のGNミサイルは全長が8.6mあり、バイカル級航宙巡洋艦の場合、左右のランチャーに合計192基が搭載されています。連邦軍の艦船は合計48隻で、バイカル級よりも搭載量が多いであろう新型艦や輸送艦が多く含まれていることを考慮すれば、発射された対艦GNミサイルの数は万に及ぶはずです。GNミサイルはMSが手に持つビームサーベルの発振器程度のサイズのものでもMSを破壊するだけの威力を持つことから、その数十倍、MSの半分程度のサイズの対艦用GNミサイルともなれば、たとえ中型のELSであっても一撃で破壊しうるでしょう。

ELSが地球に到達するまでの二か月間、連邦軍はこの対艦GNミサイルを大量生産するためにその工業能力の多くを費やしたものと思われます。GNミサイルが想定通りの威力を発揮したならば、その時点で小型・中型のELSはほぼ壊滅し、あとは巨大粒子砲によって鈍重な超大型ELSを少しずつ削り取っていくことで勝利を得られるという算段だったのでしょう。つまり対艦GNミサイルによる攻撃は、連邦軍にとって初手にして切り札であったわけです。それだけに、GN粒子が巻き起こす破壊の嵐の中から無傷のELSが姿を現したことには、連邦軍は大きな衝撃を受けることとなりました。GNミサイルによる攻撃は多数の小型ELSを破壊することには成功しましたが、中型以上のELSにはほとんど意味を成すことはありませんでした。これはELSは大きい個体ほど高い能力を持つためで、探査船エウロパとして地球に現れた際や、火星での戦いで何度もGNミサイルを経験したことにより、ELSはGN粒子の性質を理解し、粒子制御を行うことでGN粒子の爆風を受け流す方法を会得してしまっていたのです。総指揮官として表情に出すことこそ堪えたものの、この事実にマネキンは震え上ったことでしょう。ELSとの戦いが長引くほどに、人類側の兵器は通用しなくなっていくということを意味しているからです。
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