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CB-002/GD ラファエルガンダム ドミニオンズ

ELSとの戦いで大きな損害を受けたCBは、次なる時代の戦いに向けて戦力の再建に取り組むことになりました。また、ELSとの戦いを通じてイノベイターの驚異的な戦闘能力が明らかとなり、開発されたばかりであった第五世代機でも不十分であると判断されたことから、CBは第六世代となる新たなガンダムの開発を早くも検討することとなります。しかしELS戦以前よりも組織は疲弊しており、新型機の開発には相当の期間を要すると見込まれたことから、当面は既存の機体を改修し、失われた機体を再建造することで対応していくしかありません。そのような状況で新たに建造された機体が「CB-002/GD ラファエルガンダム ドミニオンズ」です。

ドミニオンズの核となるラファエルガンダムはELSとの戦いでティエリアが搭乗した機体と全く同じであるものの、合体しているユニットはセラヴィーガンダムIIではなく、セラヴィーガンダムIIをベースに開発された無人MS「セラ」となっています。腰部が大きく変形し、ラファエルの上半身に覆いかぶさるようにドッキングしていたセラヴィーIIに対して、セラの胴体部はかつてのセラフィムガンダムのようにバックパックとして背部に装備する形となっています。また、宇宙用のラファエルの最大の特徴でもあったGNビッグキャノンはドミニオンズには装備されておらず、セラの脚部は前後に分割することでラファエルガンダムの脚部に装着され、追加装甲としての役割を果たすことになります。これはドミニオンズは重力下での運用を想定して開発された機体であるためで、セラヴィーIIとドッキングした場合と比較すると重心が低くなるため、地上での運用により適した形態となります。セラを構成するパーツを全身に装着し、ボリュームを大きく増したラファエルの姿はガンダムヴァーチェを彷彿とさせるものであり、開発する上でティエリアがかつての愛機を意識していたであろうことは間違いありません。

ドミニオンズは火力面でも宇宙用のラファエルガンダムとは大きな違いがあります。GNビッグキャノンを搭載していないことに加え、それに伴って擬似GNドライヴの数も3基から2基へと減少していることから、総火力という点では低下していることは明らかでしょう。一方で、宇宙用のラファエルガンダムの欠点でもあった、セラヴィーIIとの分離後のラファエルガンダム本体の戦闘能力の低下という問題がドミニオンズにおいては軽減されています。ヴァーチェのGNバズーカをベースに開発された新たなGNバズーカ自体に擬似GNドライヴが搭載されているためです。分離後も本体と無人機の双方が高い火力を維持し、ラファエルは必要に応じてGNバズーカから粒子をチャージできるであろうことから、緊急時、短時間のみの分離を想定していたと思われる宇宙仕様に対して、ドミニオンズは長時間の分離、連携作戦を想定した仕様であるとも考えられます。

ドミニオンズはティエリアの出動を要するような緊急事態が地上で起こった場合を想定して開発されたものであり、製造自体はELS戦以前にすでに完了していたものと思われます。ELSに対応するためにティエリアが出撃した後、存在が明らかとなった秘密のラボは連邦軍に摘発されたはずですが、それによってセラが鹵獲されていなかったとすれば、「ソレスタルビーイング」からの出撃の際、ティエリアはセラを伴っていたのかもしれません。そして離れた宙域で別れ、CBの基地へと自動で向かうように指示を出したのでしょう。ドミニオンズのパイロットが誰であるのかはいまだ判明していません。刹那とともにELS本星へと旅立ったティエリアは、CBのマイスター不足を考慮して自らの分身ともいえるイノベイドを作り出し、CBへと送り込んでいます。ドミニオンズのパイロットはその人物である可能性はもっとも高いと言えますが、あるいはティエリア自身が一時的に帰還し、戦いに参加するということもあるのかもしれません。ダブルオークアンタとヴェーダがリンクしている限り、ティエリアには距離の制限などは無いも同然なのです。
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