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劇場版 機動戦士ガンダム00 Part.16

対艦GNミサイルによる先制攻撃の成果が想定を大きく下回ったことを受け、マネキンは直ちに作戦を次の段階、MSと艦隊による直接攻撃へと移行させます。その口火を切ることになったのは、巨大艦「ソレスタルビーイング」に搭載された超大型GNレーザー砲です。限界までチャージされたレーザーはELSの群れを焼き払い、超巨大ELSを貫通するほどの威力を発揮し、消沈しかけていた軍の士気を高めることになりました。しかしこの砲撃の際、超巨大ELSの中心を射抜かなかったことについては疑問が残るところです。対象がほぼ球形であるならば、その急所も中心に存在する可能性は高く、とりあえずそこを標的とするのが定石であるように思えます。予想以上に早くレーザー砲を使用することとなったために準備が不十分であった、あるいはよりELSの密度が高い場所を優先したなどの理由が考えられますが、初弾において致命の一撃を狙わなかったことを、時を置くことなくマネキンは悔いることになります。

レーザー砲の一撃によって勢いづけられた連邦軍は果敢にELSの群れへと切り込み、無限とも思える敵の掃討を開始しました。しかしMS部隊が戦闘を開始してから間もなく、複数の小型ELSが合体してジンクスIVと同じ形状へと変貌を遂げるという異変が起こります。恐るべきは姿形だけではなくその性能をも再現していることで、コピーした擬似GNドライヴを内蔵したELSジンクスは紫色のGN粒子を放出し、ビーム兵器やGNミサイルさえも使用して人類側に攻撃を開始します。1体のMSを形成するために4~5体の小型ELSが必要だとしても、ELSの総数は数十万を数えます。その全てがMSへと変貌したならば、もはや人類にはなす術がありません。ELSは火星での戦いでガデラーザ、そしてダブルオーライザーを取り込んでおり、ガデラーザに変貌した個体も存在していたとされています。多数の中型ELSがガデラーザに変貌し巨大なGNブラスターを斉射したとしたら、その破壊力は一撃で連邦軍を全滅させうるものとなっていたはずです。しかしほとんどの個体はジンクスIVに変貌し、また変貌したのはELS全体のごく一部に過ぎませんでした。この戦いにおいてELSがジンクスIVへの変貌を選択し、それが限られた数であった意図を読み取ることができていたならば、あるいは連邦軍には別の対処も可能であったかもしれません。
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