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劇場版 機動戦士ガンダム00 Part.12

機体の貯蔵粒子も尽き、完全に行動不能となってしまった刹那を救出するべくスメラギはガンダム各機に指示を出しますが、ELSの群れに阻まれ近づくことができません。状況を打開するためにティエリアがとった手段は、脳量子波を意識的に発することで自らが囮となり、ラファエルガンダムから分離させたセラヴィーガンダムIIによって刹那を回収するというものでした。ティエリアの狙い通りにELSはラファエルへと殺到し、その隙にセラヴィーIIはダブルオーライザーからコックピットブロックを取り出し、サバーニャへと託すことに成功します。しかしELSからの脳量子波の干渉によって操縦を妨げられ、逃げ切ることができずに機体を侵食されたティエリアは、トランザムを暴走させることでELSを道連れに自爆することを選択します。囮となることを決断した時点で、こうなることも覚悟の上だったのでしょう。CBのメンバーはすでにイノベイドの在り方を知っており、目の前のティエリアが消失したとしても、それが死を意味するものではないことも理解していますが、仲間がその身を犠牲にしたという事実には変わりはなく、大きな衝撃を受けることとなりました。

ティエリアの献身によって刹那を救出することには成功したものの、ELSの執拗な追撃は止むことはありませんでした。恐るべきはELSの移動速度で、サバーニャとハルートはトランザムを使用して加速しているにも関わらず、その距離をどんどんと詰められてしまいます。刹那とライルだけでも逃がすべく、今度はアレルヤが脳量子波を発して囮となろうとしましたが、それもELSの一部を引き連れるだけに留まり、サバーニャはついに追い詰められることとなります。絶体絶命の窮地を救ったのは、CBにとっては思いもよらぬ援軍、グラハム・エーカー率いる連邦軍の最精鋭ソルブレイヴス隊でした。いまだ試験運用中である最新鋭MS「ブレイヴ」を駆る彼らは、その圧倒的な戦闘能力によってガンダムを追跡していたELSの群れを駆逐し、CBを戦場から離脱させることに成功します。ソルブレイヴスの任務は先行して派遣された部隊の掩護であったわけですが、デカルトの勇み足によって戦闘が早まり、間に合うことが出来ませんでした。もし派遣部隊がソルブレイヴスと合流した上で戦闘を開始していたならば、艦隊が全滅することもなく、少なくともデカルトはCBの到着まで生存し、火星において二人のイノベイターが邂逅するという可能性もあったかもしれません。
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