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GNX-Y903V ブレイヴ

ELSに追い詰められたCBを救ったのは、連邦軍の最新鋭機「GNX-Y903V ブレイヴ」で編成された部隊「ソルブレイヴス」でした。ブレイヴはかつてグラハムがミスターブシドーとして搭乗していたマスラオ・スサノオをベースに開発された連邦軍の次期主力MSで、飛行形態への変形機能を持っています。これは大気圏内での機動力が重視されたためで、地球上のどこで紛争が起きたとしても素早く送り込むことが可能な少数精鋭部隊という構想のための機体とも言われています。ビームサーベルや実体剣など、近接戦闘に特化していたベース機に対して、部隊での戦闘を前提としているブレイヴの武装はビーム砲を中心にまとめられており、主砲である「ドレイクハウリング」と左右のバインダーに内蔵されたGNキャノンと連動させることで、スサノオにも搭載されていた強力なビーム兵器「トライパニッシャー」を発射することも可能となっています。

ブレイヴは胸部と左右のバインダーに計3箇所のGNドライヴソケットを備えており、一般機の擬似GNドライヴは胸部の1基のみであるのに対し、指揮官機であるグラハム機はバインダーに2基を搭載しています。GNドライヴの数に違いはあれど、出力の差は空いたソケットに搭載される大型GNコンデンサーで補われることから、機動力という点では指揮官機と一般機との間に大きな差は無いと思われます。構造上は3基のGNドライヴを搭載することも可能と言えますが、その場合GNコンデンサーの総量が低下し、トランザムの持続時間の短縮を招くことから、通常の任務においては行われることは無いでしょう。母艦を伴わない長期の特殊任務などであれば、GNドライヴを3基搭載するというケースも考えられるかもしれません。

ビリーをはじめとする旧ユニオンの技術者と、旧AEUの技術者たちの協力によって開発されたことから、ブレイヴの外観はかつてのフラッグとイナクトの特徴を残したものとなっています。フラッグをベースにマスラオを開発した時点から、おそらくビリーはいずれ可変MSとして結実させるつもりだったのでしょう。それは旧AEUの技術者たちの力を借りずとも可能であったはずですが、苦心の末に生み出した最新鋭機が一夜にして旧世代機へと失墜させられる悔しさを知る者として、フラッグのみを復権させることは裏切りであるかのようにビリーには思えたのかもしれません。ELSが地球に落下するという事件が起きた時点でロールアウト済のブレイヴはグラハム機のみであり、火星での戦いがソルブレイヴスとしては初めての実戦であったことは明らかです。それにも関わらず、乱れの無い部隊行動によって大きな戦果を挙げることが出来たのは、隊員が選抜されたエリートパイロットばかりであるとともに、新生したグラハムが隊長として揺るぎない信頼を得ているからこそなのでしょう。
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