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劇場版 機動戦士ガンダム00 Part.14

地球圏への帰還を果たし、イアンたち補給部隊と合流したプトレマイオス2ですが、火星での戦いではダブルオーライザーとラファエルガンダムを失い、なによりも刹那が脳に損傷を負い昏睡状態となったことで、その戦力は半減以下と言うべき状況です。ついに完成したダブルオークアンタも、イノベイターである刹那が搭乗しないことには試運転を行うことも出来ません。刹那がELSに対してトランザムバーストを試みるであろうことは、スメラギには予測が出来ていたはずです、クアンタという切り札を残している以上、あの時点において刹那を失いかねないような危険に晒すべきではなく、指揮官として判断を誤ったと言う他ありません。しかしCBにとっては得るものが無かったわけではありません。刹那のトランザムバーストの失敗によって、ELSの情報量は個人が受け止めきれるものではないということを理解したティエリアは、ダブルオークアンタにヴェーダの小型端末を搭載することをイアンに依頼します。これは機体とヴェーダとをより強力にリンクさせるためのもので、ELSから送られる情報をヴェーダで処理することで、刹那の負担を軽減することを目的としています。火星での経験がもし無かったとしたら、たとえ刹那が万全の状態でダブルオークアンタに乗り込みトランザムバーストを行ったとしても、ダブルオーライザーの場合と同様の失敗に終わっていたかもしれません。

ELSは地球まで4000万km、約7日の距離まで迫っており、刹那が昏睡から目覚める目途は立たず、戦えるガンダムはたった2機だけであっても、CBは戦場に向かわなければなりません。圧倒的多数のELSへの対応能力を少しでも向上させるため、サバーニャとハルートにはさらに武装が追加されることとなります。サバーニャには4基のホルスタービットが増設され、最大で14基のライフルビットIIを展開できるようになりました。ハルートに用意されたのは両脚部に装備するタイプの大型ブースターユニットです。かつてキュリオス用に開発された追加ユニット「ガスト」のデータが用いられていると思われ、元より強大であったハルートの機動力はさらに強化されることとなりました。しかしこのブースターユニットに求められる役割は、内蔵された大型GNコンデンサによってGNドライヴの負担を減らし、より多くの出力を火器に供給させることの方が大きいかもしれません。ユニットにはGNシザービットを格納するためのコンテナも備えられており、これによってハルートのビットの総数は2倍となり、攻撃力も大幅に増しています。最終決戦に向けて大幅な強化が施された2機のガンダムですが、それでも刹那の不在を埋めるには十分とは言えません。ELSを迎え撃つ連邦軍の総指揮官となったカティ・マネキンは、戦力として使えるものは何であれ使うつもりであったことは間違いなく、その計算の中にはCBさえも含まれていたはずです。それだけに、戦場に現れたCBの機体がたった2機のみで、しかもかつての戦いで異常な戦闘能力を発揮していた「2個付き」のガンダムがいないことには、大いに落胆したことでしょう。
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